人生で最も長い時間を過ごすのは、きっと自宅である。であるなら、できるだけ快適に過ごせる空間にしたいという想いを持つのは当然であろう。 しかし、それを超えて「住めば住むほど健康になる家」があったら、どうだろうか。実は、そんな理想郷をすでに実現している建設会社がある。 そして、 それを支えている技術がある。 伊豆山建設株式会社と、 生体エネルギー®という技術である。 生体エネルギーは、 長野県東御市にある生体工ネルギー研究所の佐藤政二所長が 50 年以上にわたって研究し、 理論化し、 実践してきた技術である。 農業者である彼は、 最大の問題であった連作障害の克服をきっかけに生体エネルギーを発見する。連作障害とは、同じ農地で同じ作物を栽培し続けていると、 やがてその作物が育たなくなるいう現象である。 これは、 現代科学で土壌を分析し、足りない肥料などを補っても発生するため、 佐藤所長はそれだけではない「何か」が足りなくなると考え、その「何か」を「生体エネルギー」と名付けた。 生体エネルギーを補給すると連作障害がなくなり、 さらにエネルギーを追加すると農作物の成長が促進されたことから、 彼は生体エネルギーが植物本来の生きる力を機能させることに気付いた。 農業の基本である土作りでは、 鉱物、 金属、 塩類、水等の無機物と、 炭素を骨格とする有機物を使いこなさなければならない。 つまり、 農業技術は多種多様な産業ヘ応用、 活用することができるのである。 この 20 年余りの間に誰もが使えるツールが次々と商品化され、 農業や食品加工はもちろんのこと、 製造業からサービス業まで多岐にわたる分野で生体エネルギー技術が活用されている。
住んでいたら健康になった?
「子供が風邪を引かなくなった」「子供の夜泣きがなくなった」「肩こりが治った」「アトピーやアレルギーの症状が改善された」。 こんな、 通常では有り得ないような「お客さまの声」が次から次へと届く家を建てている会社がある。 千葉県千葉市にある伊豆山建設株式会社である。
届く声は、健康系の話だけではない。「生活臭がなくなった」「生ゴミの臭いが気にならなくなった」「ペットの糞の臭いが少ない」「空気がすがすがしい」 という声もある。 建物自体の臭いが少ないという話ではない。 生活に関わるさまざまな臭いが減っていくというのである。加えて、 「埃が少ない」「外壁が汚れにくくなった」という声まである。
住まなくても(オープンハウスを訪れただけでも)、 その違いを感じることができる。 新築 1 年以内でシックハウスに悩まされている車椅子の人が、「伊豆山建設のオープンハウスに来ると楽になる」と驚いていたという話もある。働いているスタッフの中には、 それまで悩まされていた肺の苦しさがなくなったという人もいる。
腕が変わらないのに料理が美味しくなる
「私、 そんなに料理は得意じゃないんです。 でも、 家で食べるほうが美味しいので、 ほとんど外食しなくなりました」。 そう話してくれたのは、 中村 真知子さん。 「得意じゃない」というのは謙遜にしか聞こえないが、 ご主人の哲さんが「(新築する前と)腕は変わらないはずなのに、 料理が美味しくなりました」と続ける。「以前は、(来てくれた)人に物を出すのに自信がなかった。 でも今は気楽に出せます」と真知子さん。 そして、(個人的な主観ももちろん入るが)彼女がつくる料理は本当に美昧しい。 焼いていただいたパン、 もちもちしていて、 ずっしりと重い。
中村夫妻の新居を東京都大田区に建てたのも伊豆山建設である。 サラリーマンを 55 歳で退職後に鍼灸師の資格を取り、 開業していた哲さんは、2012 年 11 月、 脳幹梗塞を起こし、2 週間の入院を余儀なくされた。 そのとき住んでいた家は築 40 年。 風通しはよいが、 断熱材が入っていない。 子供たちが「夏は外より暑い。 冬は外より寒い」と言うような家であった。 もう 1 回梗塞が起きたらアウト。 急激な温度変化が命に関わると考えた彼らは、どうせならちゃんとした家に住みたいと、伊豆山建設を紹介してもらう。 伊豆山建設が建てた築 5 年の家を見に行って驚いた。 小さいお子さんがいるのに壁もきれい。 台所まわりも、 とても 5 年経っているとは思えない。 ベランダもきれい。何よりも、 入っての空気感が違う。 空気が爽やか。 すぐにここで建ててもらおうと彼らは決意するが、「大手のほうがいいんじゃないか」と息子さんが反対。 大手建設会社の「木の家」も見に行った。 展示場に入ってすぐ、夫婦ふたりとも目が痛くなった。5 分と居られない。築 40 年、 環境ホルモンゼロの家に住んでいた彼らにはとても耐えられる環境ではなかったらしい。 「たぶん、 合板を使ってます」と哲さん。 彼が退院してから 3 か月後に、彼らは伊豆山建設と新築契約を交わす。
新居が完成し、引っ越したのが、2014 年 2 月 1 日。それから 3 年以上経っているが、生活臭がまったくない。外壁も内壁も 3 年経っているとは思えない。暖房があまり好きではない彼らは、冬場の夜間、エアコンをオフにする。しかし、朝起きて暖房を付ける前、外と中ではまだ 10 度ぐらい違うそうだ。「床暖房が入っているんでしょう?」とみんなが言うぐらい暖かい。外気温が少々変わっても、エアコンをつける必要がないそうである。居心地がいいので、来たお客さまが長居する。正月にはそんなに広くはない 2 階の居間に、親戚が 37 人も集まるそうだが、彼らですら長居するそうだ。
自宅にいながらリゾー ト気分
伊豆山建設が建てる家はいったい何が違うのだろうか。 伊豆山幸男社長、 1963 年生まれ。26 年前、 家業を継いだ彼が目指すのは、「自宅に居ながらリゾート気分で過ごせる家」。「自宅は、一番多くの時間を過ごす場所。だから、 一番の癒しの空間であって欲しい」と彼は言う。
建材などに含まれる化学物質が原因と言われているシックハウス症候群が顕在化して以来、「自然な素材」に 対する世の中の関心がどんどん増している。 伊豆山建設では、 当然、 そういった自然素材にも妥協なく取り組んでいる。 フローリングに使用するのは、 合板ではなく、 無垢のパイン材。 漆喰には、日本の風土に合うとともに、和漆喰よりも耐久性に長けたスペイン漆喰を使っている。また、 防蟻防腐剤は、 農薬系のものではなく、ホウ酸塩を採用している。 揮発性がないので吸入の危険性がなく、人の口に入った場合の毒性も食塩と同じぐらいとされているからである。
また、「建物が呼吸すること」も重要視している。 適度に呼吸することで、 結露しにくくなり、 カビやダニなどが発生しない。 メンテナンス費用がかからず、 建物の寿命も延びる。 無垢のパイン材もスペイン漆喰も、 その面でも優れた素材である。
「日本の住宅の平均寿命は 24 年、 それがヨーロッパでは 140 年。日本の高温多湿な気候のせいだと言う人もいるが、 私はそうは思わない。 構造や性能の問題である」と伊豆山社長。 「そこを工夫することで、 伊豆山建設が建 てる住宅は 100 年持つ家になっている」と彼は続ける。
生体エネルギー技術を標準装備
だが、 自然素材にどこまでもこだわったとしても、 それは健康へのマイナス要因をできるだけ減らしているだけであり、 健康を増進するわけではない。 既存の技術で性能を上げても、 臭いが消えたり、 埃がたたなくなったりすることもない。 炭を利用して健康住宅を目指した時期もあったと言う。 炭を床下に撒き、 コンクリートの中に炭と温水パイプを入れ、 遠赤外線を発生させる。 それが健康に寄与するであろうと考えたのだ。 それも効果が出ない。 そして、19 年前の生体エネルギー技術との出会いが、 伊豆山社長の方針をー変させた。
いま伊豆山建設の住宅( 2017 年に屋号を「イズヤマリゾート」に変更しているので、「イズヤマリゾートの住宅」と呼んだほうがいいかもしれない)は、 生体工ネルギー技術が標準装備されている。 基礎には地球が持っているカ を引き出す「底力」を撒く。 3 段階で打つコンクリートにはすべて「力丸」を使う。 人間のカラダは有機物、 つまり、炭素支配系である。 コンクリートは、 同じ炭素族のケイ素支配系なので、 人間のカラダを優性に導く環境をつくるために「力丸」を入れ教育したのである。 加えて、 内側の漆喰の壁にも、 外側の塗り壁にも生体エネルギー資材が入る。これによって、 建物全体のエネルギーが高くなり、「住めば住むほど健康になる」という理想郷が実現している。
『植物の神秘生活』(ピーター・トムプキンズ+クリストファー・バード著)によると、 約 700 年前、 フランス人のボヴィースが食物の放射エネルギーを測るツールを開発した。 それを発展させたフランスの技師シモネトンは、1971 年の自著の中で、 人間の放射エネルギーの正常値である 6.500 Å(オングストローム)を超える食べ物を食べることを推奨している。 生体エネルギー理論ではこれをさらに発展させ、 環境の善し悪しを判断する際の指標の1つとして、 環境の「放射エネルギー」まで考慮に入れている。 イズヤマリゾートの住宅の出す放射エネルギーが 6.500 Åを大きく上回っているため、住む人が健康になるのである。
そうやって住宅の放射エネルギー が高くなることによって、 人類に害のある微生物が繁殖しにくい環境になり、臭いが減り、 カビやダニの繁殖もさらに抑えられている。また、 生体エネルギーが高い環境では、 静電気が起きにくい。 静電気の原因となる電子の移動は、 摩擦や衝突、引き剥がしなどの刺激に誘発されることで起こる。 生体エネルギーの高い環境では、 環境が物質を教育し、 あらゆる物質の原子核の引きつける力が高められる。 簡単な刺激で電子が飛び出すことが少なくなる。 加えて、 生体エネルギーは「個の単位を継続する力」であるため、 外からの電子を簡単に受け取ってバランスを崩すことも少ない。 だから、 静電気が起きにくいし、 静電気が起きないから、 埃も立ちにくい。 アレルギーやアトピーの原因になるものも、 空気中を浮遊しにくくなる。
人のカラダは、 約 60 兆個の細胞で構成されている。そして、 1 秒間に 500 万個、 1 日でおよそ 5,000 億個もの細胞が死に、 同じ数の細胞が新しく生まれる。入れ替わるスピー ドが最も遅い骨でも、2 年から 3 年すれば、すべての細胞が新しくなる。 生体エネルギーが高い壊境では、 カラダが優性に動き、 正常で能力が高い細胞が生まれる。 つまり、 住めば住むほど、 正常で能力が高い細胞でカラダが満たされていくのである。 だから、 イズヤマリゾートの住宅に住めば住むほど、 人は健康になるのだ。
味も変われば、 音も変わる
前述の中村夫妻のご自宅、 実は、 標準装備を超えた生体エネルギー資材も導入している。 たとえば、 鍼灸師の哲さんご自慢の治療室は、 天井も壁もすべて、「トワエックス」 が使用されている。 すると何が起きるのか。 天井にだけ「トワエックス」を使った他の部屋と比べて、 さらに良い環境になっている。 部屋には古いレコードプレーヤーが置いてある。 治療で来た人たちが「音が全然違う」と感心して帰って行くそうである。 また、 ワインも日本洒も治療室に持ち込んだら、 さらに美昧しくなるそうだ。 生体エネルギーは、 目的に合った資材を追加することで「加算」 ができるという理論であるが、それが実現されている。
お客さまをどうやったら幸せにできるのか
理想郷の実現は、 技術だけではできない。 伊豆山社長の目は常に顧客に向いている。「お客さまにとって家を建てるというのは、 人生最大のイベント。 その後の人生を幸せにするか、不幸にするか、 それは工務店の責任でもある」 と彼は言う。 そんな彼だからこそ、 生体エネルギー技術に目を向け、 いち早く導入することができたのであろう。
「お客さまの家を建てさせていただくからには、 お客様の今後の人生も含めて、 全責任を背負って建てていかなくてはならない」 と考える彼のいまの関心事は、 生涯を独身で過ごす人たちのための一軒家。男性の生涯未婚率( 50 歳時点で結婚していない人の割合) は、 2015 年時点で 25 %。さらに増えると言われてもいる。女性も同様である。なのに、一人暮らしを想定した一軒家はない。彼は、独身生活を楽しむ人たち向けの世界初の「独身貴族の家®」を考案し、一昨年発表した。ネーミングは「男の城®」と「女の城®」。マンション住まいの機能をすべて取り込んだ上で、一軒家ならではの機能を追求している。もちろん、生体エネルギー技術も標準装備されている。
(本記事は2017年に執筆されたものです)